■熱可塑性樹脂 の種類

名称 (略号) |
樹脂の特徴 |
ポリアミド(PA) |
アミド基でアルキレン基が結合したものが多数集まって出来た線状合成高分子物質。 一般的に摩擦係数が小さく自己潤滑性が有り、耐摩耗性に優れ、耐衝撃性大、耐薬品性 耐溶剤性が良く、反面吸水性大で寸法安定性が悪い。ナイロン6、ナイロン66等。
【特長】 強じん、耐油性、耐磨耗性良好
【用途】 自動車部品、機械部品 |
ポリアセタール(POM) |
ホルムアルデヒトを主原料として得られる重合体である。耐摩擦摩耗性及び耐疲労性については 抜群の性能を誇る。吸湿性は少ないが成形機内で長時間滞留し高湿にさらされると熱分解が 起こり、ホルマリン臭を発生する。
【特長】 クリープ特性、耐溶剤性良好
【用途】 歯車、軸受け、自動車部品 |
ポリカーボネイト(PC) |
ビスフェノールAとホスゲンの縮合重合によって造られる樹脂で強靭で透明性、耐熱性、難燃性 寸法安定性に優れ、特に衝撃強度は熱可塑性樹脂でも最高に近い値を示す。 成形前には乾燥を要する。
【特長】 強じん、電気的特性、耐熱、耐寒、耐候性良好
【用途】 電気部品、機械部品 |
ポリブチレンテレフタレート
(PBT) |
テレフタル酸とブタンジオルから縮合重合で製造された新しい熱可塑性ポリエステル樹脂。 高い熱変形温度、耐摩耗性など良好。
【特長】 耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性良好
【用途】 自動車部品、端子板 |
ポリエチレンテレフタレート
(PET) |
テレフタル酸とエチレングリコールとの重縮合反応で得られる熱可塑性ポリエステル樹脂。 ボトルは清涼飲料水用として使用されている。
【特長】 耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性良好
【用途】 ペットボトル、繊維製品 |
ポリフェニレンスルフィド
(PPS) |
ポリフェニレンサルファイドともいい耐熱性、耐摩耗性に優れ強度もある。
【特長】 耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性良好
【用途】 自動車部品、カメラ部品 |
ポリエーテルスルホン
(PES) |
ポリエーテルスルホンはポリスルホンより耐熱性が高く、スーパーエンプラに属する。耐熱性は熱可塑性樹脂の中では最高クラスに属し、また耐衝撃性も大きい。耐薬品性も良く、無毒である。また耐水性もすぐれ難燃性である。
【特長】 高温強度保持、難燃性、成形良好
【用途】 医療器具、ドライヤーカバー、自動変速ギア |
ポリフェニレンエーテル
(PPE) |
ポリフェニレンエーテルは耐水、耐熱性にすぐれるが耐候性に若干の難点をもち、耐熱性が高いため成形が困難であった。難燃性であるのでポリスチレンとブレンドして変性PPEとしたところ、加工温度も下がり耐水性あり適切な耐衝撃性もあり、エンプラの中心的材料となった。ブレンドはその成分割合で耐熱性や強度を変化させる事が出来る。
【特長】 寸法制度、難燃性、熱水・酸・アルカリ耐性良好
【用途】 加湿器、通信機器、自動車部品 |
ポリスルホン(PSF) |
ポリスルホンは若干着色しているが、透明で耐熱水性と無毒のため食品、医療機器に用いられる。耐熱性は高く難燃で耐薬品性、低温特性も良好で冷凍トレイ、電子レンジトレイにも用いられる。
【特長】 透明、耐熱性、無毒、収縮性良好
【用途】 食品加工機、歯科用具、プリント基板 |
液晶ポリマー
(LCP) |
液晶ポリマーは、耐熱性にすぐれハンダ耐熱性はもちろん長期にわかり高い耐熱性が要求される部品への応用が進んでおります。また強度・弾性が高いものから流動性にすぐれ薄肉成形性に適し使用されるものまで幅広く用いられる。
【特長】 高強度、高弾性、高耐熱良好
【用途】 リレー部品、プリント基板、油圧機シールパッキン |